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組織犯罪詐欺・マネロン対策等で会社設立手続き厳格化も穴あり?

法人の銀行口座開設がますます狭き門

法人の未公開株・社債購入等の詐欺被害や、不法な商行為による消費者被害が拡大しています。こうした背景を受け、「当局から各金融機関への指導」や「犯罪収益移転防止法改正」が度々行われ、法人の銀行口座開設はますます狭き門となっています。
もっとも、以前から、法人の銀行口座開設は、会社実態や事業実在性の確認のための説明など、容易ではありませんでした。
今般、さらに、会社設立の段階から、犯罪収益移転の芽を摘む対策もなされました。

定款認証手続き厳格化と影響される株主

2018年11月30日から、公証人の定款認証の手続きに際し、暴力団員等に該当する者が実質的支配者となる法人の設立行為に違法性があると認められる場合、定款の認証ができないこととされています。
日本在住個人で住民票を交付でき、上記に該当しなければ、何ら問題はありません。
厄介なのは、日本以外の国に居住する外国人や外国法人が株主(=実質的支配者)となるケースです。まずは、居住国・所在地の公的機関から、居住者証明や会社の登記簿謄本に当たるものを発行してもらいます。そして暴力団員等でないことや、違法性がないことを公証人に調査・確認してもらった上で定款認証してもらうこととなります。

合同会社は対象外!?

定款の認証が必要なのは、株式会社設立の際です。合同会社には、定款認証の手続きはありません。そのため、本国で公的証明書の発行が困難な場合(=認証手続きがないとか、時間がかかりすぎる場合)には、「設立は合同会社」の選択肢もあります。
 合同会社を設立した後で、株式会社に組織変更することもできます。

合同会社から株式会社への変更とその後

 合同会社から株式会社への組織変更の際には、債権者保護等で、最低1か月以上官報に公告として掲載します。官報掲載の予約にも待ち時間がかかりますので、完成まで2か月程度要することになります。
銀行口座は合同会社の設立後申し込めます。銀行の審査が通って口座が開設された後で組織変更となれば、再度、銀行での名称変更手続き等もしなければなりません。
本国での公的な本人証明書や登記簿謄本の発行の所要時間を考えて、どういった選択肢を取るかということになります。

 

※当記事は2019年6月掲載のものとなります。今後、法令・条例により内容が変更となる場合がございます。

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